木を見て庭を見ず

出雲・石見を中心に、歴史的なお庭と屋根と神社仏閣を見て回って、ひとりごとです。

大社弥山に登ってみた

 涼しくなってきたので、山寺詣で再開です。で、行ってきたのは、前から気になっていた大社弥山!出雲大社のすぐ東側にそびえる山で、このあたりの最高峰。標高は505m。
大社弥山

お松:大社弥山って、確か山頂に神社があるんでしたよね。山寺じゃないじゃん。
やや:そうなんですが、登山道は子安寺から伸びていますし、麓の谷奥には僧侶の墓である無縫塔や薬師堂(?)の跡の石垣なんかも残されています。かつては、山林修行にも使われた山ではあるようです。
 さて、
 登り始めると、これがけっこうきつい・・・。結局一時間以上かかりやっとこさ・・・。
 山頂には、御山神社の鳥居の跡。
御山神社

 そして、園の長浜から三瓶山!国引き神話の世界が眼前に広がっています。
国引き神話の世界

 毎度おなじみ、奈良時代に記された『出雲国風土記』には、山や川、海岸地形が記されていますが、海岸地形に比べ、山の記載はそう多くはなく、特に出雲郡では、山の記載は2件しかありません。
お松:奈良時代の出雲郡って、現在の大社、日御碕周辺から・・・。
やや:簸川平野を挟んで、斐伊川沿いの山塊までを含む範囲です。
お松:その間に山が二つしか無いんですか?
やや:んなバカな。なので、風土記の執筆者は、意味のある山しか載せていないと言う事だと思います。で、二つというのは、神名火山・・・つまり現在の仏経山と出雲御埼山(いずものみさきやま)です。出雲御埼山は・・・
お松:それが大社弥山なんですね。
やや:それが・・・。周囲が九十六里一百六十五歩あるって書かれています。って~と40~50kmほど?一つの山にしては広すぎるんで・・・大社弥山から旅伏山あたりまでを含む山塊全部を言ったものだと思います。
お松:・・・な、なるほど。
やや:当時の人々の山のとらえ方を考えさせますよね。
弥山山頂より
そぉほど・・・。
スポンサーサイト
  1. 2017/10/07(土) 10:38:33|
  2. 山寺で修行中
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

遊びをせんとや生まれけん~のラスト

 夏も終わろうとしているのに、この夏の天候不順を取り戻そうとするかのように好天の続く山陰地方です。
お松:夏、終わっちゃいますねぇ。この時期って、なんかさみしいんですよねぇ。
やや:熱中症の季節が終わり、スズメバチのシーズンです。マダニやマムシも活動が活発になるので、山中の探検は十分に気をつけましょう!
お松:・・・。
やや:え~、そもそもの話にもどりますってえ~と、平安時代に作られた歌謡集、『梁塵秘抄(りょうじんひしょう)』に「聖(ひじり)の住所(すみか)は何処(どこ)どこぞ~ 箕面よ勝尾よ、播磨なる、書写の山、出雲の鰐渕(わにぶち)や日の御崎~ 南は熊野の那智とかや~」と、詠われ、鰐淵寺のある鰐淵(わにぶち)の他に、日御碕も修験の聖地として知られていたはずだ。でも、日御碕ゆ~たら、山林修行に関わるようなお寺があんのんかいな?それ、どこやねん?つ~話でした。
お松:どこのひとですか?
・・・日御碕神社には、天照大神やスサノオ命の他、月読(ツクヨミ)命も祀られているってとこまでのお話でしたが、未だに修験や山林修行のお寺の話は出てきてません。このまま終わってしまうんじゃないでしょ~か?
天一山中の平坦面

やや:さて、日御碕神社の背後にそびえる天一山(あまかずやま)には、月読神社が建てられ、月読命が祀られているのですが、その山中には、墓所の他、多くの平坦面が残されています。こうしたところが古くは僧坊跡、つまり聖の住処だったのかも知れません、ま、発掘調査をしないと判りませんが・・・。
天一山神宮寺

 で、実は日御碕には、曹洞宗神宮寺と言うお寺があります。神宮寺ですので、日御碕神社の神宮寺です。日御碕神社の古い絵図には、境内に塔などの仏教に関わる建築物が描かれているものがあります。つまり、鰐淵寺が出雲大社と関係し、神仏習合の時代があったのと同じように、日御碕神社も、江戸時代までは神仏習合の神社だったと言う事です。

 神宮寺は、現在は曹洞宗ですが、元々は真言宗のお寺だったと伝えられています。比較的早く、15世紀頃に曹洞宗に改宗したらしく、そのために密教の印象が薄くなっていますが、真言宗と言えば密教。まさに山林修行のお寺ですね。現在では、日御碕神社と天一山を挟んだ東側にあります。例によって明治政府の神仏判然令によって、分離したようです。
 境内には、薬師堂が建てられ、いにしえの山林修行のお寺の様子を伝えています。
神宮寺の薬師堂

お松:やっと、結論ですか。引っ張ったわりにはごくごく普通の結論で・・・。
やや:はい、そうですね。
  1. 2017/08/27(日) 07:05:46|
  2. 山寺で修行中
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

遊びをせんとや生まれけむ~の続き

 後白河法皇の『梁塵秘抄』に導かれ、日御碕神社に行った話の続きです。
夏の終わりの稲佐の浜

 日御碕神社では、大きな2つの社殿で、天照大神とスサノオ命を中心にお祀りされていますが、そもそもこの神様方、『古事記』によれば、イザナギ命が、亡くなったイザナミ命に会いに行って、黄泉醜女(ヨモツシコメ)とかに追いかけ回され、やっとこさ逃げ帰ってきたところで登場される神様方です。
 何とか逃げ帰ったイザナギ命は禊(みそぎ)を始めます。で、左目を洗ったときに現れたのが天照大神、右目を洗ったときに現れたのが月読(ツクヨミ)命、そして鼻を洗ったときに現れたのが建速須佐之男(タケハヤスサノオ)命、つまりスサノオ命です。3神が現れたのに喜んだイザナギは、アマテラスに高天原を、ツクヨミに夜の国を、スサノオには海原を治めるように命じました。
お松:な、なんか・・・。アマテラスとツクヨミは対になっているような感じですが、スサノオは鼻から?太陽神と月の女神が高天原と夜の国って言うのは判る気もしますが、スサノオは海原なんですね。
やや:で、気に入らないスサノオはイザナミのいる根の国に行きたいとダダをこね始め、暴走が止まらなくなって天岩戸事件に発展するのですが・・・。今日は月読命です。
お松:あまり印象がない神様ですが・・・。
やや:『古事記』『日本書紀』にも登場する機会の少ない神様ですね。
 さて、日御碕神社です。
 日御碕神社は、『出雲国風土記』記載の美佐伎社と考えられており、当時は、現在の経島(ふみしま:ウミネコの繁殖地として有名)にあったようです。もちろん、天照大神とは書かれていません。出雲地方の古い文献からは、日御碕神社と天照大神や月読命の関係は追いにくいようですが、中央の歴史書にはそれらしい一文が出てきます。
 『日本書紀』には・・・、『日本書紀』は本文だけでなく、「一書に曰く」として、別の伝承を列記しているのが特徴ですが・・・、有名な国譲り神話について、「一書に曰く」としてフツヌシ神が、オオアナムヂ(オオクニヌシの別名)に国譲りの条件を示しています。それが、
 「住むべき宮殿は、日隅宮(ヒスミノミヤ)と同じように大きな神殿を建てましょう」
ということです。
お松:大きな神殿というのは出雲大社のこと?ヒスミノミヤは・・・あ、ヒシズミノミヤ?日沈宮の事ですか?
やや:そうとも取れそうですよね。とにかく日本海に沈む夕日を背に、天照大神を祀った日沈宮を建て、月の昇る東の天一山に月読命が祀られているようです。
月読神社の参道

 日御碕神社に車を止めて、県道をしばらく登ると月読神社の参道が見えてきます。で、そこから登ること15分ほど。
月読神社本殿

 山頂近くの月読神社に到着です。日沈宮や神の宮に比べると恐ろしく質素なお宮ですが、それでももちろん、地元の皆さんに大切に管理されており、道もしっかりしています。
お松:山頂からの眺望は?
天一山から見た経島

やや:何とか見えるのは経島!『出雲国風土記』記載の美佐伎社のあった場所ですね。
お松:日御碕神社は?
やや:もちろん見えます。
天一山から見た日御碕神社

お松:・・・。見えると言えば確かに・・・。
やや:真夏に行く所じゃないな・・・。
お松:・・・そう言えば、山寺はどうしたんでしたっけ?
やや:あ、続く・・・ってことで。
お松:だ、だいじょうぶかぁ?
  1. 2017/08/20(日) 18:45:16|
  2. 山寺で修行中
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

遊びをせんとや生れけ~ん(前編)

 いや~。夏もそろそろ後半戦。
夏の終わりの稲佐の浜

 なのに遊んでいるヒマがな~い!本当なら・・・
 ♪遊びをせんとや生れけ~ん  ♪たわむれせんとや生れけん~
お松:どっかで聞いたことがあるような?
やや:何年か前、松山ケンちゃんがやってた『平清盛』のオープニングですね。
お松:ん?「山寺で修行中」カテゴリですが、松山のケンちゃんと何の関係が?
やや:松山ケンちゃんはどうでも良くって、松田ショウタくんがやってた後白河法皇ですね。後白河は、院政期の、つまり平安末期の天皇、退位後は法皇として権勢を振るい、源氏や平家と覇権を争ったので有名なかたですね。
お松:源平の合戦の直前の人?平清盛と並んで、歴史上はあまり好かれていないキャラのようですが、この手の人は、へそ曲がりのややさんのお好きなタイプでは?
やや:平清盛と並び、大変立派な業績を挙げたかたです。冒頭の「♪遊びをせんとや生れけ~ん」は、『梁塵秘抄(りょうじんひしょう)』と言う後白河法皇が治承年間(1180年頃)に編まれた歌謡集の一節です。残念ながら内容の多くは失われてしまいましたが、一部が伝えられています。後白河法皇は、この他にも『年中行事絵巻』を作らせるなど、当時の文化を現代に伝えると言うたいへんな功績を残されたです。平清盛と共に平安末期の最高におもしろい人達なのですが、それを源頼朝がムチャクチャにひっくり返して・・・。
お松:はい、はい。で、その松田ショウタくんがど~したの?
やや:え~、その『梁塵秘抄』の中に
 「聖(ひじり)の住所(すみか)は何処(どこ)どこぞ~ 箕面よ勝尾よ、播磨なる、書写の山、出雲の鰐渕(わにぶち)や日の御崎~ 南は熊野の那智とかや~」
と言う一節があって、聖のすみか・・・つまり山林修行僧が居た有名な場所と言うのが詠われているんです。箕面や熊野の那智なんかが、平安時代の都でも有名だったと言う事ですね。
お松:お~!出雲の鰐淵というのは、現在の鰐淵寺のことですね?
やや:その周辺の山の事なのでしょう。それよりも気になっているのが日の御崎~。
お松:日の御崎~は、日御碕の事でしょう?
やや:日御碕って、密教のお寺とか修験道とかで有名ですっけ?
日御碕神社日沈みの宮

お松:あ・・・?日御碕神社はあるけれど、そう言えば、お寺の印象って無いですね。日御碕神社と言えば、近頃は日本遺産「日が沈む聖地出雲」に選ばれたので話題の・・・。
やや:・・・。
お松:お~い!
やや:日本遺産とか、よく分からないものは置いておいて、天一山(あまかずやま)です。
日御碕神社神の宮から見た天一山

お松:お~い、カメラがあらぬ方向を向いてますぜ~?
やや:よいの。現在の日御碕神社の社殿は、随身門の真っ正面にあるのが、天照大神を祀った「日沈みの宮」。向かって右手の小高いところにあるのがスサノオ命を祀った「神の宮」。
お松:ご兄弟の神様を同時に祀っているんですね。
やや:3人兄弟の真ん中をお忘れですよ。
お松:あれ?
やや:月読(ツクヨミ)命ですね。
お松:忘れてるんですか?
やや:・・・。だから、その月読命を祀ったお社があるのが天一山。日御碕神社の真正面にそびえる標高約130mの山です
お松:へ~。
 で、そこに登ったんですね。でも、月読命・・・まだ、山寺じゃない・・・。
やや:と、言う訳で次回に続く。
お松:だ、だいじょうぶか次回?本当にあるのか?次はいつだ~!
やや:やかましい!
  1. 2017/08/19(土) 22:33:22|
  2. 山寺で修行中
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

二つの清水山

 相変わらず、ヒマと晴れ間を見つけては、安来市の清水山周辺に行っております。
 で、今日は、利弘町の賀茂神社です。安来市内には賀茂と名が付く神社が2つあるのですが、市街地ではない方の賀茂神社です。
賀茂神社の参道

 で、このところ頻繁に通っている清水山は、標高176mある清水寺のある山ですが、気になっているのは、そのわずか5km程西にある標高107mの山。その山の名がなんと、
お松:なんと?
やや:清水山なんです。
お松:いや、清水山には清水寺があるんでしょ?
やや:だから、わずか5kmほどしか離れていない所に、同じ名前の山があるんです。
お松:へ?・・・そ・それって、分かりにくくって不便ですよね。
やや:ま・まぁ、そうですね。ではここでは、清水寺のある方を東の清水山、そうじゃない方を西の清水山と呼ぶことにします。
 で、その西の清水山の麓に、賀茂神社があるので、気になるので行ってみました。
賀茂神社

  静かな境内には、御本殿の両脇に立派な境内社が・・・。もしやと思ってましたが、やっぱり。右のお社が嵩神社。そして東のお社は宮嶋神社です!
賀茂神社境内社の宮嶋神社

お松:なんだか、一人で盛り上がってますが、誰にも伝わってませんよぉ。何がそんなにおもしろいんですか?
やや:嵩神社は、東の清水山の隣の山にある神社です。嵩神社と清水寺に挟まれているのが清水峠。寺と神社ですが、山林修行に関わることは間違いありません。で、左の宮嶋神社と言うのは、西の清水山の麓にあった神社で、すでに元の神社はありませんが、境内から保元元(1156)年の銘がある地蔵菩薩懸仏(じぞうぼさつかけぼとけ)が出土したとされているんです。地蔵菩薩は密教の修行に関係があって、西の清水山でも山林修行のお寺があった証拠になるかもしれないんです!宮嶋神社は、すでに現地にはありませんが、関係するいろいろをここで見れたと。
お松:な・なるほど(・・・と、言いつつ、実はよく分かってない・・・)。まぁ、遭難しない程度にがんばってください。

おまけ
 賀茂神社の狛ワンコ!
賀茂神社の狛ワンコ

・・・は、普通なので、こちらも
随身門の木製狛ワンコ

 賀茂神社の随身門の中にいた古い木製の狛ワンコ!
お松:ま、丸顔~ぉ!
  1. 2017/02/19(日) 15:54:56|
  2. 山寺で修行中
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
次のページ

プロフィール

やや

Author:やや
 神社仏閣と古い町並み、そして何より屋根とお庭が大好きな“やっぱり屋根が好き”と申しますが、相棒の“お松”に、あり得ないぐらい略されて、“やや”と呼ばれています。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

お庭でひとりごと (58)
お松との会話 (55)
出雲のお庭 (33)
いわゆる出雲流庭園 (11)
石見のお庭 (8)
雪舟を探して (10)
雪舟が見つからなくって (8)
屋根フェチの小部屋 (26)
プチ巨石ブーム (23)
石見銀山で散歩 (22)
神話の足跡探し (65)
小泉さんの散歩道 (7)
山寺で修行中 (40)
波乗りウサギに会ってきた (10)
ネタ切れにつき在庫処分 (12)
未分類 (0)

木を見て庭を見ず

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR