木を見て庭を見ず

出雲・石見を中心に、歴史的なお庭と屋根と神社仏閣を見て回って、ひとりごとです。

茶臼山から浄音寺に行ってみた

 隣の部署の仕事まで引き受け(押しつけられ)て、とんでもなく忙しかった年末年始も無事突破。相変わらず隣からはどよ~んとした空気が漂ってきていますが、こっちではどうにもならないもんね!と、言う訳でようやく日常が戻ってきました。
でぇ、お正月なので茶臼山に登ってきました。
お松:お正月に茶臼山って、何かあるんですっけ?
やや:なんにもないけど、そんな気分になった(←お松:訳がわから~ん!)と言うだけです。
 と、言う訳で、今日の話は茶臼山・・・ではなく、茶臼山の南麓にある浄音寺です。浄音寺は、松江市大庭町にある天台宗のお寺。浄音寺自体は、ぜんぜん山寺ではないですけど、入れるとしたら山寺カテゴリかな?って事で、まぁ、茶臼山にも登ったし・・・。茶臼山の山頂から見るとこんな感じです。
茶臼山から見た浄音寺

お松:ホントーにすぐ下なんですね。なんか、飛行機から撮ったみたい!
やや:浄音寺は出雲三十三ヵ所観音巡礼の第二十四番札所です。
お松:お?観音巡礼?なんか久しぶりに聞いたような?た・確か・・・澄水山の澄水寺の時だ。
やや:そうです。澄水寺は第二十五番札所ですので、観音巡礼の人々は、この浄音寺をお参りした後に澄水寺に向かうことになります。
 そう言うお寺ですので、幕末から明治にかけてはさぞ賑わったのでしょうが、現在では多少寂しい感じになってますね。澄水寺もそうでしたが・・・。
 浄音寺の本堂は、元々は茅葺き屋根だったのでしょうが・・・これは、これで素敵な屋根ですな。
浄音寺の本堂

 浄音寺の周辺は古墳時代から奈良時代の出雲の中心地。大きな古墳や遺跡が集中している他、出雲国造家との関わりが言われる神魂(かもす)神社にも近い場所です。浄音寺に関する文献はほとんど残されていないという事ですが、神魂神社別当寺と言う伝承があるそうです。ご本尊は、鎌倉時代に造られたとされる十一面観音菩薩。長年の灯明で煤のかかったお顔は、記憶に残る個性的な表情。重要文化財でございます。
お松:その画像は無いのね?
やや:なかなか仏さんは撮れませんので、ネットで探してね。

おまけ
浄音寺の手水鉢

やや:浄音寺にいた水を飲むリス。
お松:ん?・・・お?・・・あ、リスだ!
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  1. 2018/01/07(日) 18:04:15|
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新羅は見えたか?

 厳密に言えば、山寺ではありません・・・と言うか、山寺だったかどうか判りませんが、山寺カテゴリにぶっ込んでます。
茶臼山

松江市山代町の茶臼山です。中世以降、お抹茶が知られるようになって以後は茶臼山と呼ばれていますが、『出雲国風土記』には「神名樋野(かんなびぬ)」と記されています。
お松:って事は、もしもお抹茶が日本で流行らなかったらティーポット山って呼ばれたって事ですか?
やや:知らんがな!それに、そこに突っ込むか?

 お松さんはほっといて、
茶臼山登山道

 ものすごい急な坂道を登ること15分(早っ!)。標高わずか171mなので、すぐに山頂にたどり着きます。でも、低いとは言え独立峰。山頂からは360度の大パノラマ!
茶臼山の山頂

お松:お寺はもちろん、鳥居すら無いようですが、山寺カテゴリにぶっ込んだのは、なにかあるのでしょうか?
やや:六国史の一つである『日本三代実録』貞観九(867)年に四天王像を安置したと言う記事があるのですが・・・
 おおざっぱに言うと、当時、朝鮮半島にあった新羅と緊張状態にあって、新羅が攻めてくるかも知れないとびびった朝廷は四天王の図像を作成し、伯耆・出雲・隠岐・石見・長門の5国に下した。この時の命令は、この5国は「西極」にあって新羅に近いので、それぞれの国で、新羅が見える高いところに施設を整備し、四天王を祀りなさい、と言うものでした。つまり、四天王の力で攻めてくるかも知れない新羅を調伏しようとしたようです。
お松:それが茶臼山なんですか?
やや:わかりません。
 茶臼山の南麓に「師王寺(しわじ)」と言う地名(字)が残っており、四天王像を安置した「四王寺」に通じることから、その隣接地にある古代寺院の遺跡が、そうではないかと言われていました。ただ、現地の標高はわずか20m。新羅はもちろん、宍道湖すら見えません。
お松:新羅が見える高いところではなさそうですね。
やや:なので、その古代寺院は、背後の茶臼山を含んだ山寺で、その登山口に整備された部分だけが現在知られる遺跡なこつかばい、思っちょります(←お松:どこの人ですか?)。
茶臼山山頂から見た山代郷南新造院跡

 茶臼山の山頂から見ると、この真ん中やや下の芝生がその遺跡です。古代の区画を反映しているかも知れない道が、まっすぐ茶臼山に向かって伸びている点も示唆的です。
お松:でぇ、茶臼山の山頂からは、新羅は見えたのでしょうか?
やや:西の方はこんな感じですね。
新羅は見えたか?

お松:右下に宍道湖、その上は・・・出雲大社近くの山々?日本海は見えませんね。
やや:ふ・ふ・ふ・・・。右から降りてくる山並みが下がりきって、平らになる所が簸川平野です。その先は、霞んで空と区別がつきませんが、あそこが・・・
お松:お?に・日本海?
やや:そう。見えるんですよぉ・・・。
  1. 2017/11/25(土) 16:45:40|
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大社弥山に登ってみた

 涼しくなってきたので、山寺詣で再開です。で、行ってきたのは、前から気になっていた大社弥山!出雲大社のすぐ東側にそびえる山で、このあたりの最高峰。標高は505m。
大社弥山

お松:大社弥山って、確か山頂に神社があるんでしたよね。山寺じゃないじゃん。
やや:そうなんですが、登山道は子安寺から伸びていますし、麓の谷奥には僧侶の墓である無縫塔や薬師堂(?)の跡の石垣なんかも残されています。かつては、山林修行にも使われた山ではあるようです。
 さて、
 登り始めると、これがけっこうきつい・・・。結局一時間以上かかりやっとこさ・・・。
 山頂には、御山神社の鳥居の跡。
御山神社

 そして、園の長浜から三瓶山!国引き神話の世界が眼前に広がっています。
国引き神話の世界

 毎度おなじみ、奈良時代に記された『出雲国風土記』には、山や川、海岸地形が記されていますが、海岸地形に比べ、山の記載はそう多くはなく、特に出雲郡では、山の記載は2件しかありません。
お松:奈良時代の出雲郡って、現在の大社、日御碕周辺から・・・。
やや:簸川平野を挟んで、斐伊川沿いの山塊までを含む範囲です。
お松:その間に山が二つしか無いんですか?
やや:んなバカな。なので、風土記の執筆者は、意味のある山しか載せていないと言う事だと思います。で、二つというのは、神名火山・・・つまり現在の仏経山と出雲御埼山(いずものみさきやま)です。出雲御埼山は・・・
お松:それが大社弥山なんですね。
やや:それが・・・。周囲が九十六里一百六十五歩あるって書かれています。って~と40~50kmほど?一つの山にしては広すぎるんで・・・大社弥山から旅伏山あたりまでを含む山塊全部を言ったものだと思います。
お松:・・・な、なるほど。
やや:当時の人々の山のとらえ方を考えさせますよね。
弥山山頂より
そぉほど・・・。
  1. 2017/10/07(土) 10:38:33|
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遊びをせんとや生まれけん~のラスト

 夏も終わろうとしているのに、この夏の天候不順を取り戻そうとするかのように好天の続く山陰地方です。
お松:夏、終わっちゃいますねぇ。この時期って、なんかさみしいんですよねぇ。
やや:熱中症の季節が終わり、スズメバチのシーズンです。マダニやマムシも活動が活発になるので、山中の探検は十分に気をつけましょう!
お松:・・・。
やや:え~、そもそもの話にもどりますってえ~と、平安時代に作られた歌謡集、『梁塵秘抄(りょうじんひしょう)』に「聖(ひじり)の住所(すみか)は何処(どこ)どこぞ~ 箕面よ勝尾よ、播磨なる、書写の山、出雲の鰐渕(わにぶち)や日の御崎~ 南は熊野の那智とかや~」と、詠われ、鰐淵寺のある鰐淵(わにぶち)の他に、日御碕も修験の聖地として知られていたはずだ。でも、日御碕ゆ~たら、山林修行に関わるようなお寺があんのんかいな?それ、どこやねん?つ~話でした。
お松:どこのひとですか?
・・・日御碕神社には、天照大神やスサノオ命の他、月読(ツクヨミ)命も祀られているってとこまでのお話でしたが、未だに修験や山林修行のお寺の話は出てきてません。このまま終わってしまうんじゃないでしょ~か?
天一山中の平坦面

やや:さて、日御碕神社の背後にそびえる天一山(あまかずやま)には、月読神社が建てられ、月読命が祀られているのですが、その山中には、墓所の他、多くの平坦面が残されています。こうしたところが古くは僧坊跡、つまり聖の住処だったのかも知れません、ま、発掘調査をしないと判りませんが・・・。
天一山神宮寺

 で、実は日御碕には、曹洞宗神宮寺と言うお寺があります。神宮寺ですので、日御碕神社の神宮寺です。日御碕神社の古い絵図には、境内に塔などの仏教に関わる建築物が描かれているものがあります。つまり、鰐淵寺が出雲大社と関係し、神仏習合の時代があったのと同じように、日御碕神社も、江戸時代までは神仏習合の神社だったと言う事です。

 神宮寺は、現在は曹洞宗ですが、元々は真言宗のお寺だったと伝えられています。比較的早く、15世紀頃に曹洞宗に改宗したらしく、そのために密教の印象が薄くなっていますが、真言宗と言えば密教。まさに山林修行のお寺ですね。現在では、日御碕神社と天一山を挟んだ東側にあります。例によって明治政府の神仏判然令によって、分離したようです。
 境内には、薬師堂が建てられ、いにしえの山林修行のお寺の様子を伝えています。
神宮寺の薬師堂

お松:やっと、結論ですか。引っ張ったわりにはごくごく普通の結論で・・・。
やや:はい、そうですね。
  1. 2017/08/27(日) 07:05:46|
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遊びをせんとや生まれけむ~の続き

 後白河法皇の『梁塵秘抄』に導かれ、日御碕神社に行った話の続きです。
夏の終わりの稲佐の浜

 日御碕神社では、大きな2つの社殿で、天照大神とスサノオ命を中心にお祀りされていますが、そもそもこの神様方、『古事記』によれば、イザナギ命が、亡くなったイザナミ命に会いに行って、黄泉醜女(ヨモツシコメ)とかに追いかけ回され、やっとこさ逃げ帰ってきたところで登場される神様方です。
 何とか逃げ帰ったイザナギ命は禊(みそぎ)を始めます。で、左目を洗ったときに現れたのが天照大神、右目を洗ったときに現れたのが月読(ツクヨミ)命、そして鼻を洗ったときに現れたのが建速須佐之男(タケハヤスサノオ)命、つまりスサノオ命です。3神が現れたのに喜んだイザナギは、アマテラスに高天原を、ツクヨミに夜の国を、スサノオには海原を治めるように命じました。
お松:な、なんか・・・。アマテラスとツクヨミは対になっているような感じですが、スサノオは鼻から?太陽神と月の女神が高天原と夜の国って言うのは判る気もしますが、スサノオは海原なんですね。
やや:で、気に入らないスサノオはイザナミのいる根の国に行きたいとダダをこね始め、暴走が止まらなくなって天岩戸事件に発展するのですが・・・。今日は月読命です。
お松:あまり印象がない神様ですが・・・。
やや:『古事記』『日本書紀』にも登場する機会の少ない神様ですね。
 さて、日御碕神社です。
 日御碕神社は、『出雲国風土記』記載の美佐伎社と考えられており、当時は、現在の経島(ふみしま:ウミネコの繁殖地として有名)にあったようです。もちろん、天照大神とは書かれていません。出雲地方の古い文献からは、日御碕神社と天照大神や月読命の関係は追いにくいようですが、中央の歴史書にはそれらしい一文が出てきます。
 『日本書紀』には・・・、『日本書紀』は本文だけでなく、「一書に曰く」として、別の伝承を列記しているのが特徴ですが・・・、有名な国譲り神話について、「一書に曰く」としてフツヌシ神が、オオアナムヂ(オオクニヌシの別名)に国譲りの条件を示しています。それが、
 「住むべき宮殿は、日隅宮(ヒスミノミヤ)と同じように大きな神殿を建てましょう」
ということです。
お松:大きな神殿というのは出雲大社のこと?ヒスミノミヤは・・・あ、ヒシズミノミヤ?日沈宮の事ですか?
やや:そうとも取れそうですよね。とにかく日本海に沈む夕日を背に、天照大神を祀った日沈宮を建て、月の昇る東の天一山に月読命が祀られているようです。
月読神社の参道

 日御碕神社に車を止めて、県道をしばらく登ると月読神社の参道が見えてきます。で、そこから登ること15分ほど。
月読神社本殿

 山頂近くの月読神社に到着です。日沈宮や神の宮に比べると恐ろしく質素なお宮ですが、それでももちろん、地元の皆さんに大切に管理されており、道もしっかりしています。
お松:山頂からの眺望は?
天一山から見た経島

やや:何とか見えるのは経島!『出雲国風土記』記載の美佐伎社のあった場所ですね。
お松:日御碕神社は?
やや:もちろん見えます。
天一山から見た日御碕神社

お松:・・・。見えると言えば確かに・・・。
やや:真夏に行く所じゃないな・・・。
お松:・・・そう言えば、山寺はどうしたんでしたっけ?
やや:あ、続く・・・ってことで。
お松:だ、だいじょうぶかぁ?
  1. 2017/08/20(日) 18:45:16|
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 神社仏閣と古い町並み、そして何より屋根とお庭が大好きな“やっぱり屋根が好き”と申しますが、相棒の“お松”に、あり得ないぐらい略されて、“やや”と呼ばれています。

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