木を見て庭を見ず

出雲・石見を中心に、歴史的なお庭と屋根と神社仏閣を見て回って、ひとりごとです。

天倫寺のお庭

 松江市堂形町の天倫寺です。すぐ下を一畑電車が通り、宍道湖を南に見下ろす景勝地に立っています。
天倫寺の山門

 天倫寺は、17世紀始めから続くお寺で、山号が時々変わっていますが、寛永十六(1639)年から臨済宗神護山天倫寺となり、現在に至っています。このお寺の山門のすぐ横には、立派な鐘楼があり、そこには件の朝鮮鐘が吊られているはずですが・・・見えませんね。
天倫寺鐘楼の朝鮮鐘

 お参りを済ませて、はい次・・・って感じで立ち去ろうとしたのですが、ん?
天倫寺のお庭

 本堂の正面にある庫裏の裏手を覗くと、お庭があるじゃあ~りませんか。
 靴脱ぎ石に、切石と自然石の2種を並べ、高く小ぶりな飛び石。築山すら目立たない完全な平庭の枯山水。こ、これはいわゆる出雲流庭園?
茶室前の路地

お松:ぅお~?なんとなつかしい言葉?
やや:やかましい!
 しかし、よく見ると、出雲流庭園を特徴付ける巨大短冊石がありません。それに、出雲流庭園は背景をばっさりシャッタアウトするのがキモですが、このお庭は、明らかに宍道湖を愛でるためのお庭です。これは・・・。
飛び石と景石の手水

 このブログもそうですが、とんとお庭から遠ざかってたので、このお庭の歴史についてはわかりませんが、もし江戸のお庭だとしたら、いわゆる出雲流庭園以前のお庭で、松江藩がらみのお庭である可能性もあり、お庭の歴史的にはおもしろいかもしれません。
 さて、この天倫寺のお庭と言えば、江戸中期(18世紀中頃)の文人画家である池大雅(いけのたいが)が出雲地方を旅したときに滞在し、天倫寺の庭から宍道湖を見下ろした風景描いています。「林外望湖図」と呼ばれる絵がそれで、え~・・・。
お松:どう言う絵なんですか?
やや:し、宍道湖を見下ろした・・・。
お松:雪舟とかを追っかけているときに、ずいぶん日本画の勉強もしたんじゃ?
やや:雪舟と、戦国期の絵師を少しだけ。そもそも絵とか・・・。
お松:そもそも絵とか芸術的センスはないですものねぇ。それに、きれいなものとかに興味ないですものねぇ。
やや:・・・。
 と、とにかく。このお庭から池大雅が「林外望湖図」を描いた可能性があると言う事で・・・。

おまけ
ひっさしぶりぶりの狛ワンコ?
狛秋田犬?

やや:天倫寺の境内にあった稲荷社の狛キツネですが・・・
お松:秋田犬の子犬にしか見えない。
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  1. 2016/10/01(土) 17:48:43|
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訳あって・・・

 しばらく更新が滞っております。
お松:ただでさえ、不定期更新なのにね。
やや:う・・・。
康國寺のお庭
 画像は・・・ずいぶん古い画像ですが、この時期に撮影した数少ない画像の中から、出雲市国富町の康國寺庭園です。出雲を代表する寺院庭園の一つで、背後のため池と旅伏山を借景に取り込んだ雄大なお庭です。
臨済宗康國寺のお庭は、天保年間頃に整備されたお庭と言われ、松江藩のお抱え庭師「沢玄丹」の作庭だと主張する説明が多くあります。
康國寺の書院
お松:なんか、持って回ったような言い回しは?
やや:もちろん、いろいろ検証していくと・・・
お松:あ~もう、余計なことは言わなくても良い!
  1. 2014/04/26(土) 08:54:48|
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いつものお庭

 予想に反して天気が回復したので、ふらっとお散歩。出雲大社へ行ってきました。
出雲大社の本殿
 真冬の2月だって言うのに、観光客の喧噪が止まない出雲大社の拝殿周辺を、ほんのわずか、ほんのわずかにそれ、小さな川をひとつ渡ると北島国造館・・・ここまで来るとずいぶん静かになります。
 ここのお庭は、亀の尾の滝が落ちる池と、ナゼか南国ムード満点の巨大な蘇鉄が・・・。池の中島にはオオクニヌシと共に国造りに励んだ小さな小さな神様、スクナヒコナを祀る天神社があります。
天神社
 『古事記』に記されるスクナヒコナは、突然やってきて、国造りの真っ最中に、またまた突然、常世国へぶっ飛んで行ってしまう神様。その伝承地は、出雲以外の地域に多く、・・・そもそも出雲の神話ではないのでしょうか。『古事記』に無理矢理挿入されたようなストーリーですが、ヒキガエルにカカシのクエビコ、登場する神々も楽しさ満点の、それこそ出雲っぽくない展開が大好きな神様です。

お松:久しぶりにお庭ですね。もう、やめちゃったのかと思ってましたが。でも、話は神社で神話なんですね。お庭の話題じゃない!
やや:う~ん。本当にいつものお庭だし。あまり、お庭そのものにつっこんだ話題もないし・・・。あ~どっか行きたい!
お松:そろそろ梅の花が咲き始めましたね。どっか行けるといいですね。
  1. 2014/02/16(日) 18:56:06|
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いつものお庭・・・の、はずだった

 久しぶりに天気がよいので、朝も早く(と言っても9時頃)から、ちょいとお散歩。観光客でごった返す出雲大社の神門通りを避けて古代出雲歴史博物館の駐車場へ滑り込み、出雲大社拝殿の賑わいを横目に北島国造館までへ行けば、あの喧噪も嘘のように・・・
北島国造館
・・・のはずだった・・・。確かに、去年までは、さほど人出があった記憶はない。しかし今年は、けっこうな数の観光客が北島家辺りまで流れてきている。いったいどうなっているんでしょう(←お松:まだ、戸惑っているようで・・・)。

やや:どうでも良い話ですが、高校の日本史の授業で、国造(くにのみやつこ)って、習ったのを覚えていますか?
お松:「くにのみやつこ」・・・その、響きは覚えているんですが、いったい何だったのかは、さっぱり・・・。
やや:古代において、地域の代表に位置づけられた豪族ですね。
お松:その「くにのみやつこ」がどうしたんですか?
やや:だから、国造だって。
お松:あ!国造館って「くにのみやつこ」のやかた?
やや:そうです。出雲では、奈良時代の国造が、現在まで存在しているんです。
お松:それは、なんと言いましょうか・・・。
北島家庭園
 紅葉と南国ムード満点の蘇鉄。このお庭の最も楽しい季節です。
  1. 2013/11/23(土) 15:16:27|
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水のお庭の飛石と延段

 今日はあいにくの大雨ですが、本格的な夏を迎え、連日蒸し暑い日が続いています。それも広島県境に近い奥出雲の上阿井では、ずいぶんましに違いない・・・と言う訳で、可部屋集成館・櫻井家に行ってきました。
 ・・・ましと言えばましですが、でも、そこそこ暑~い・・・。
可部屋櫻井家
 蒸し暑い時期は、やっぱり水が恋しい・・・大量の砂鉄を集めるために、人力と水流で山を崩し、水の力で土砂から砂鉄を分ける。製鉄は炎をイメージしがちですが、実は、水の力も非常に重要。水を自在に操ることのできる鉄山師のお庭は、豪快な滝と大きな池がセットです。
 出雲を代表する鉄山師のビッグ3、櫻井家のお庭は、松江藩主松平治郷(不昧)が岩浪と命名した豪快な滝のあるお庭です。滝のあるお庭と言うと、どうしても滝に目が行ってしまいますが、このお庭は、飛石に延段なんかも見所です。
櫻井家の池と一丈庵
 明治になって、南画家の田能村直入がこんな所にちっちゃな茶室を建てちゃいましたが、それ以外は・・・可部屋集成館に展示されている安政2(1855)年の『櫻井家家相図』には、滝や池、御成門はもちろん、長く特徴的な延段や、そこから分かれる短い延段も描かれており、現在あるお庭のほとんどが、江戸時代から残されていることが判っています。
櫻井家の延段と小さな飛石
 このお庭、茶人大名として知られる松江藩主松平治郷(不昧)の享和3(1803)年の御成に合わせて整備されたと言われ、御成門から直線的に書院に続く飛石。中門から一直線に伸びる延段なんかに“不昧公好み”が見て取れる一方、切石の短冊石や飛石に混ぜられた石臼なんてものは無く、いわゆる出雲流庭園の要素はありません。美しいだけでなく、いろいろ考えさせてくれるお庭です。

どうやって生えたの?

おまけ:ところで、この木って、どうやって生えたの?木が先にあったの?それに、滝の画像は無いの?
  1. 2013/07/28(日) 18:42:12|
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 神社仏閣と古い町並み、そして何より屋根とお庭が大好きな“やっぱり屋根が好き”と申しますが、相棒の“お松”に、あり得ないぐらい略されて、“やや”と呼ばれています。

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