木を見て庭を見ず

出雲・石見を中心に、歴史的なお庭と屋根と神社仏閣を見て回って、ひとりごとです。

現実逃避!

4月はわりとぽんぽん更新していたかと思えば、気がつけば5月も後半。
 実は、仕事の方が大変なことになってまして。職場始まって以来の危機的状況。しかもその原因に気付いていながら放置していた元上司は、問題発覚直前にご栄転!な、なんだそりゃ・・・。と言う訳で、時間的にはもちろん、気分的にもブログの更新どころではなくなってました。
 と言う訳で、やっと取れた休日。現実逃避に飛び出して行った先は・・・。
御来屋駅

お松:おんきや?ごきや?おんくるや?よ・読めない・・・。
やや:これが、「みくりや」と読みます。
御来屋駅の待合室

 明治35年11月に鳥取県内初の鉄道が開通しますが、それが鳥取市のある東部ではなく、県西部の御来屋~境港間。現在の山陰本線御来屋~米子と、境線米子~境港間に相当しますね。
 当時はまだ物流の中心は海運だったため、港のある境港から鉄道が延ばされていったようです。
御来屋駅の元切符売り場窓口

 もちろん、当時の各駅は、順次近代的な駅舎に建て替えられていますが、奇跡的に残ったのが、この・・・。
お松:名前の読めない駅。
やや:御来屋(みくりや)駅です。もちろん屋根瓦は葺き替えられていますが、そこら中がなんだかレトロ。

 平成14年に改装された駅舎は、地元の皆さんにもしっかり愛されているようで、とてもきれいに保たれています。
御来屋駅のホーム

 しかも、現役!もちろん無人駅ではありますが、完全に機能しています。

おまけ
ナゾの料金表

こんな表示も残されています。何のことかわかりませんが。

お松:ところで、この先のお仕事は?
やや:暑くなって、涼しくなり始める頃までは、大変な状態が続くかも・・・。山にも行ってるヒマがない・・・。
お松:ま、頑張ってくらはい。
 そう言えば、このところの更新が、なんか、鳥取ですね。
やや:お?そう言えば・・・。
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  1. 2018/05/20(日) 18:37:14|
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橋津の藩蔵に行ってきた

 暖かいをとおりこし、暑くなり始めた山陰地方です。
 と言う訳で、ちょっこと行ってきたのは鳥取県東伯郡湯梨浜町。湯梨浜町と言えばハワイ!羽合温泉のある東郷湖は、橋津川を通じて日本海へつながっており、近代以前は重要な港湾だったはずです。
 その橋津の港は日本海海運の拠点として多くの舟が出入りし、江戸期代後半には鳥取池田藩の年貢米を運び出す重要な施設が置かれ、近隣には廻船問屋、米問屋、旅籠などが軒を並べにぎわったと伝えられています。そうした鳥取池田藩の藩蔵が現在も残されています。
橋津の藩蔵

 当時は多くの蔵が軒を連ねていたはずですが、現存するのが古御蔵、三十間北蔵、片山蔵の3棟。いずれも鳥取県指定文化財に指定されています。

 屋根フェチ的には、瓦の一部に島根県西部が震源地の石州系瓦が使用されていたりもしますが屋根の一番高いところ、棟に置かれた棟居石が気になります。
 これは、松江(宍道町来待)産の来待石製棟石で、北前船のバラストとして主に出雲よりも東に点々と見られる屋根です。
庇のある藩蔵


お松:なんだか横に長く立派な蔵です。
やや:江戸時代の税金は主に年貢。つまりお米です。これを現金化しないとどうにもならないので、どこの藩でも大阪や尾道に送って換金していました。よって、藩の財政は、米相場に左右されたのだそうです。
横に長い藩蔵

お松:藩の施設と言うことは、藩のシンボルとがあったりするんですか?
やや:蔵の一つの鬼板瓦に池田藩の家紋が見えます。
鳥取池田藩の家紋

お松:池田藩の家紋は蝶なんですね。
やや:岡山も鳥取も池田家の家紋は蝶です。優美ですよねぇ。どっかの三つ葉葵と違って。
お松:また、そう言うことを・・・。
  1. 2018/04/22(日) 21:15:17|
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お醤油屋さんのある町屋

 春のぽかぽか陽気が続いたかと思えば、昨夜から風雨が激しい出雲地方です。三寒四温の季節ですね。
 さて、
 先日、綿貫家住宅が松江市の登録歴史的建造物となったと言う報道があり、たまたま近くを通る用事があったのでのぞいてみました。
綿貫家住宅

 綿貫家住宅は松江市街地の北側、石橋町にあります。石橋町は松江城下町の北端にあたり、江戸時代から続く町屋。現在でも、誰が名付けたイナズマ道路・・・狭い鍵折れの道や三叉路が多く残り、城下町の時代の雰囲気を伝えるステキな町並みです。
綿貫住宅の平格子

 松江市の資料によれば、綿貫家住宅は、明治後期に建てられた伝統的な町屋なのだそうで、きれいな平格子が特徴的です。が・・・屋根フェチ的には、本来は左桟瓦が葺かれていたはずですが、ま新しい石州瓦に葺き替えられていて・・・・
お松:ちょいちょい、ちょいまちぃ!普通の日本人には何のことか分からない説明に突入してまんがな?(←やや:ど、どこの人?)
やや:・・・左桟瓦というのは・・・。瓦って、隣の瓦との隙間を埋めるのに波形になっていて、隣の瓦に被さるようになっていますよね。その被さる向きが通常の瓦と反対のものを左桟瓦と言います。出雲地方の伝統的な瓦は左桟瓦でして、全国で一般的な瓦や石見地方の地場産業として有名な石州瓦とは違う訳です。で、綿貫家住宅は築100年以上なので、当然葺き替えられているのですが、ちょっと残念。
 でも、綿貫家住宅のある場所は枝垂れ桜と観音さんで有名な千手院のすぐ下。綿貫家住宅のお向かいには古いお醬油屋さんの蔵があり、ちょっとステキな雰囲気の通りになっています。
カネモリ醤油の木桶蔵

 カネモリ醤油は明治八(1875)年創業のお醤油屋さんなのだそうです。通りに面したお店側には綿貫家住宅と同じ平格子が残り、千手院や綿貫家住宅に向かう店の後ろ側には木桶蔵が続いています。木桶蔵の壁は白い漆喰壁なのですが、一部・・・けっこう多くの部分にはトタンの波板が貼られ、で、その木桶蔵のトタンの波板はなぜか真っ赤!
カネモリ醤油の木桶蔵の波板

 白い漆喰、黒い板壁、そして真っ赤な波板。なんだかいい雰囲気です。
カネモリ醤油の木桶蔵の窓に置かれた醤油徳利

 木桶蔵の窓には、カネモリマークの入った醤油徳利が置かれています。昔は瓶ではなく、醤油徳利で醤油を買っていたんですね。木桶蔵の周りでは、食欲をそそるお醤油の香りが漂っています。

お松:こう言ったステキな町屋も徐々に少なくなっています。
やや:子どもの頃は、古くさいとしか思ってませんでしたけどね・・・。
  1. 2018/03/21(水) 12:39:23|
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春は名のみの

 春は名のみの風の寒さや
 すっかり雪も消え、日中は暖かくなってきた出雲地方ですが、それでも日陰は肌寒く、ましてや日も落ちると、やっぱり冬の寒さです。

たどり着いた場所は

 またしてもくそ忙しくなって、「夕べ、寝てないんだよ~」って言いながら、どわ~って用事を片付けて、かじかむ両手をポケットに突っ込んで、ふらふらになりながらやっとたどり着いた場所は・・・。

ステンドグラス

 そこにあるのはステンドグラスにドーム天井。広間の真ん中にはストーブ。ストーブを囲む人たちは、なぜかとても無口で、ただ静かにそれを待っていて・・・。

ドーム天井

 それでも一人、また一人と人々が集まってきます。

出雲大社前駅の全景

 実は、一畑電鉄出雲大社前駅でした。

一畑電鉄出雲大社前駅

 この駅の開業は昭和5(1930)年。白い鉄筋コンクリートにドーム天井、カラフルなステンドグラスにおしゃれな照明はまるで教会を思わせる不思議建築。
 開業当時は「大社神門駅」だったそうですが、昭和45年からは「出雲大社前駅」に改名されています。教会を思わせるハイカラな建築で、大社神門を名乗っていたんですね。平成8年には有形登録文化財に登録された由緒ある建物でした。
  1. 2018/03/10(土) 17:09:34|
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ルビづいとトラヤ

お松:いきなりタイトルから意味不明だす?
やや:だはは・・・。
 ようやく雪も溶けた出雲地方ではありますが、気がつけば、2月の更新は雪景色ばかり。多少天気も回復したので、カメラを提げて町歩きです。
ルビづい

 で、タイトルの「ルビづい」・・・ではなく、出雲ビルです。白潟本町の気になるビル。昔の建物なので右から左に読みますが、しっかり「いづビル」と省略するのもおしゃれ。
 近年の調査で、大正14(1925)年4月竣工と言うことが判明した、松江市最古の鉄筋コンクリート造り。地上4階、地下1階。昔の建物なので、狭い間口のわりの奥行きはそこそこあったりします。
出雲ビル

 このビルを建てた方は出雲益良さんとおっしゃるのだそうで、つまりビルの名前は、地名ではなく個人名のようです。その出雲さん、イギリスに遊学した際に見たデパートを松江にも作ろうと思い、このビルを建てられたのだそうで、当初は「出雲ストア」。ビールやキッコーマン醤油、カルピスなどが並び、レストランやダンスホールもあったのだとか。なんだかおしゃれ、と言うよりも大正なのでハイカラ!松江のダンスホールでどんな人が踊っていたのでしょう?
 1925年ですので、この4月で築93年。もうすぐ100歳ですな。今は、おしゃれなテナントとかが入ってます。

 お次は東本町のトラヤ紳士服店です。
トラヤ紳士服店

 山陰道産業という貿易商の建物として昭和7(1932)年に建てられたと言われています。この辺りは、子どもの頃から見慣れた風景で、当時は何とも思わなかったのですが、今、あらためてみるとすごいね。
トラヤ紳士服店の全景

 木造鉄骨2階建てですが、タイル張りでレンガ造り風に見せています。筋が入ったように見えるおしゃれなタイルはスクラッチタイル。
トラヤ紳士服店のスクラッチタイルと窓

 窓枠の上下は厚い鉄板を折り曲げたもの。これは補強ではなく当初からのもののようですね。
トラヤ紳士服店のナゾのレリーフ

 建物の隅の部分はおしゃれな枠で固定された磨りガラスが縦に続き、その間にはナゾのレリーフ。このレリーフは、出雲の狛犬さんや灯籠と同じ来待石製です。

お松:近代建築ですね。このブログでは、例外的に新しい感じ?
やや:う~ん。実は、それがそうでもなくって・・・。多くの神社さんは幾度も御遷宮を経ていますので、非常に新しい建物が大半だったりします。でぇ、新しいからつまんないと言うつもりもなく、ただ、単に古い建物の「形だけ」を残したものもつまんない気がしていて、古い何かを残しつつ、それとして機能しているものには、なんだか魅力があるんだろうなぁって・・・。出雲ビルのある白潟本町なんかも、今ではあまり人通りもありませんが、かつては、賑やかだったんだろうなって思うわけです。デパートですよ、デパート!
お松:はいはい。他にも、この手の面白建築ってあるんでしょうか?
やや:新しすぎて専門外なので、見つけたらそのうちに・・・。
お松:やっぱり新しいんじゃない。
  1. 2018/02/18(日) 18:29:14|
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 神社仏閣と古い町並み、そして何より屋根とお庭が大好きな“やっぱり屋根が好き”と申しますが、相棒の“お松”に、あり得ないぐらい略されて、“やや”と呼ばれています。

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