木を見て庭を見ず

出雲・石見を中心に、歴史的なお庭と屋根と神社仏閣を見て回って、ひとりごとです。

お醤油屋さんのある町屋

 春のぽかぽか陽気が続いたかと思えば、昨夜から風雨が激しい出雲地方です。三寒四温の季節ですね。
 さて、
 先日、綿貫家住宅が松江市の登録歴史的建造物となったと言う報道があり、たまたま近くを通る用事があったのでのぞいてみました。
綿貫家住宅

 綿貫家住宅は松江市街地の北側、石橋町にあります。石橋町は松江城下町の北端にあたり、江戸時代から続く町屋。現在でも、誰が名付けたイナズマ道路・・・狭い鍵折れの道や三叉路が多く残り、城下町の時代の雰囲気を伝えるステキな町並みです。
綿貫住宅の平格子

 松江市の資料によれば、綿貫家住宅は、明治後期に建てられた伝統的な町屋なのだそうで、きれいな平格子が特徴的です。が・・・屋根フェチ的には、本来は左桟瓦が葺かれていたはずですが、ま新しい石州瓦に葺き替えられていて・・・・
お松:ちょいちょい、ちょいまちぃ!普通の日本人には何のことか分からない説明に突入してまんがな?(←やや:ど、どこの人?)
やや:・・・左桟瓦というのは・・・。瓦って、隣の瓦との隙間を埋めるのに波形になっていて、隣の瓦に被さるようになっていますよね。その被さる向きが通常の瓦と反対のものを左桟瓦と言います。出雲地方の伝統的な瓦は左桟瓦でして、全国で一般的な瓦や石見地方の地場産業として有名な石州瓦とは違う訳です。で、綿貫家住宅は築100年以上なので、当然葺き替えられているのですが、ちょっと残念。
 でも、綿貫家住宅のある場所は枝垂れ桜と観音さんで有名な千手院のすぐ下。綿貫家住宅のお向かいには古いお醬油屋さんの蔵があり、ちょっとステキな雰囲気の通りになっています。
カネモリ醤油の木桶蔵

 カネモリ醤油は明治八(1875)年創業のお醤油屋さんなのだそうです。通りに面したお店側には綿貫家住宅と同じ平格子が残り、千手院や綿貫家住宅に向かう店の後ろ側には木桶蔵が続いています。木桶蔵の壁は白い漆喰壁なのですが、一部・・・けっこう多くの部分にはトタンの波板が貼られ、で、その木桶蔵のトタンの波板はなぜか真っ赤!
カネモリ醤油の木桶蔵の波板

 白い漆喰、黒い板壁、そして真っ赤な波板。なんだかいい雰囲気です。
カネモリ醤油の木桶蔵の窓に置かれた醤油徳利

 木桶蔵の窓には、カネモリマークの入った醤油徳利が置かれています。昔は瓶ではなく、醤油徳利で醤油を買っていたんですね。木桶蔵の周りでは、食欲をそそるお醤油の香りが漂っています。

お松:こう言ったステキな町屋も徐々に少なくなっています。
やや:子どもの頃は、古くさいとしか思ってませんでしたけどね・・・。
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  1. 2018/03/21(水) 12:39:23|
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春は名のみの

 春は名のみの風の寒さや
 すっかり雪も消え、日中は暖かくなってきた出雲地方ですが、それでも日陰は肌寒く、ましてや日も落ちると、やっぱり冬の寒さです。

たどり着いた場所は

 またしてもくそ忙しくなって、「夕べ、寝てないんだよ~」って言いながら、どわ~って用事を片付けて、かじかむ両手をポケットに突っ込んで、ふらふらになりながらやっとたどり着いた場所は・・・。

ステンドグラス

 そこにあるのはステンドグラスにドーム天井。広間の真ん中にはストーブ。ストーブを囲む人たちは、なぜかとても無口で、ただ静かにそれを待っていて・・・。

ドーム天井

 それでも一人、また一人と人々が集まってきます。

出雲大社前駅の全景

 実は、一畑電鉄出雲大社前駅でした。

一畑電鉄出雲大社前駅

 この駅の開業は昭和5(1930)年。白い鉄筋コンクリートにドーム天井、カラフルなステンドグラスにおしゃれな照明はまるで教会を思わせる不思議建築。
 開業当時は「大社神門駅」だったそうですが、昭和45年からは「出雲大社前駅」に改名されています。教会を思わせるハイカラな建築で、大社神門を名乗っていたんですね。平成8年には有形登録文化財に登録された由緒ある建物でした。
  1. 2018/03/10(土) 17:09:34|
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ルビづいとトラヤ

お松:いきなりタイトルから意味不明だす?
やや:だはは・・・。
 ようやく雪も溶けた出雲地方ではありますが、気がつけば、2月の更新は雪景色ばかり。多少天気も回復したので、カメラを提げて町歩きです。
ルビづい

 で、タイトルの「ルビづい」・・・ではなく、出雲ビルです。白潟本町の気になるビル。昔の建物なので右から左に読みますが、しっかり「いづビル」と省略するのもおしゃれ。
 近年の調査で、大正14(1925)年4月竣工と言うことが判明した、松江市最古の鉄筋コンクリート造り。地上4階、地下1階。昔の建物なので、狭い間口のわりの奥行きはそこそこあったりします。
出雲ビル

 このビルを建てた方は出雲益良さんとおっしゃるのだそうで、つまりビルの名前は、地名ではなく個人名のようです。その出雲さん、イギリスに遊学した際に見たデパートを松江にも作ろうと思い、このビルを建てられたのだそうで、当初は「出雲ストア」。ビールやキッコーマン醤油、カルピスなどが並び、レストランやダンスホールもあったのだとか。なんだかおしゃれ、と言うよりも大正なのでハイカラ!松江のダンスホールでどんな人が踊っていたのでしょう?
 1925年ですので、この4月で築93年。もうすぐ100歳ですな。今は、おしゃれなテナントとかが入ってます。

 お次は東本町のトラヤ紳士服店です。
トラヤ紳士服店

 山陰道産業という貿易商の建物として昭和7(1932)年に建てられたと言われています。この辺りは、子どもの頃から見慣れた風景で、当時は何とも思わなかったのですが、今、あらためてみるとすごいね。
トラヤ紳士服店の全景

 木造鉄骨2階建てですが、タイル張りでレンガ造り風に見せています。筋が入ったように見えるおしゃれなタイルはスクラッチタイル。
トラヤ紳士服店のスクラッチタイルと窓

 窓枠の上下は厚い鉄板を折り曲げたもの。これは補強ではなく当初からのもののようですね。
トラヤ紳士服店のナゾのレリーフ

 建物の隅の部分はおしゃれな枠で固定された磨りガラスが縦に続き、その間にはナゾのレリーフ。このレリーフは、出雲の狛犬さんや灯籠と同じ来待石製です。

お松:近代建築ですね。このブログでは、例外的に新しい感じ?
やや:う~ん。実は、それがそうでもなくって・・・。多くの神社さんは幾度も御遷宮を経ていますので、非常に新しい建物が大半だったりします。でぇ、新しいからつまんないと言うつもりもなく、ただ、単に古い建物の「形だけ」を残したものもつまんない気がしていて、古い何かを残しつつ、それとして機能しているものには、なんだか魅力があるんだろうなぁって・・・。出雲ビルのある白潟本町なんかも、今ではあまり人通りもありませんが、かつては、賑やかだったんだろうなって思うわけです。デパートですよ、デパート!
お松:はいはい。他にも、この手の面白建築ってあるんでしょうか?
やや:新しすぎて専門外なので、見つけたらそのうちに・・・。
お松:やっぱり新しいんじゃない。
  1. 2018/02/18(日) 18:29:14|
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金言寺に行ってみた

 すっかり秋めいてきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?秋と言えば、
お松:秋と言えば、お蕎麦!お蕎麦と言えば奥出雲!と、言う訳で、行ってきました、奥出雲!美しいお庭を見ながらの新蕎麦は、美味しかったですねぇ。
やや:ちょっと、あまりにこのブログの趣旨からは遠いので(←お松:このブログの趣旨ってナニ?)。
 さて、
 広島県境に近い奥出雲町大馬木の金言寺です。
金言寺

 金言寺自体は、茅葺き屋根のステキな、日蓮宗の小さな小さなお寺ですが、その本堂の前に、県指定天然記念物になった樹齢300~400年と言われる巨大なイチョウがあります。この盆地の反対側からも、ボンッ!って、黄色く目立つほどの巨大なイチョウです。
 で、寺のすぐ前にある休耕田に水を張ったところ、見物客が集まり始め、平成22年度の島根景観賞大賞まで受賞しちゃったというものです。
 普段は静かなところですが、イチョウが色づく季節の週末には、大変な賑わいとなります。
逆さイチョウ

お松:ところで、ややさんは、こちらのお蕎麦屋さんで顔を覚えられちゃっているんですね?
やや:そんなに何度も行ったはずはないのですけどねぇ。
お松:ってことは、よっぽど印象に残るような、すんごいことをしたんですね?
やや:そ、そんなはずもないですが・・・。
  1. 2016/11/06(日) 11:42:02|
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ピンクの病院

 この目にも鮮やかなピンクの建物は、松江市末次町にある浅野小児科医院です。昨年、約100年ぶりに修理され、ピカピカのピンクになりました。2つ宛並べられた、凝った窓のデザイン。建物の左右には鱗模様のうだつ。2階のバルコニー風の窓を支える玄関ポーチはドリス式・・・つまりギリシャ建築風の石柱を立てた、美しくもムダな意匠になっています(←お松:また、余計なことを!)。
 個人的には、建築史の方々は、瓦に興味が無くって、屋根を全部、ピカピカの新しい瓦に葺き替えられたのが気に入りませんが、・・・本来は出雲地方に特徴的な左桟瓦が載っていたはずですが(←お松:そんなモノを気にしているのはややさんだけです!)、まぁ、それはそれとして・・・。
浅野小児科医院

 この建物は、大正元(1912)年の建築で、いわゆる擬洋風建築。日本の大工さんの伝統的テクニックを駆使し、西洋風に造られた建物です。松江市内では白亜の洋館!興雲閣がよく知られていますが、興雲閣ができたのが明治36(1903)年ですので、そのわずか9年後の建築です。この手の擬洋風建築は、興雲閣のような公共施設の他は、銀行や病院が多かったようですね。
浅野小児科医院の表札

 この前の道は、小さい頃から何度も通った記憶があり、もう少し白い印象の建物でしたが、修理に伴う調査で、ピンク色に塗られていたことが判明し、塗り直されたものです。小児科のお医者さんなので、かわいらしい色にされていたようです。
 この建物は、2007年に登録有形文化財に登録され、明治~大正の世の中イケイケだった頃の雰囲気を現代に伝えています。100年ちょっと前のかわいい建物が残されているだけでも楽しいのですが、それ以上にすばらしいのが、この建物・・・現役バリバリです!今も小児科医院としてフル稼働中。撮影時にも、子どもの元気な泣き声が聞こえていましたよ。

お松:いや、元気じゃないでしょ。どっか悪くって泣いてるんでしょ?小児科だよ?。
  1. 2016/05/14(土) 16:50:09|
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 神社仏閣と古い町並み、そして何より屋根とお庭が大好きな“やっぱり屋根が好き”と申しますが、相棒の“お松”に、あり得ないぐらい略されて、“やや”と呼ばれています。

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