木を見て庭を見ず

出雲・石見を中心に、歴史的なお庭と屋根と神社仏閣を見て回って、ひとりごとです。

西生馬神社のプチ巨石

 先月、『出雲国風土記』は、実は完本じゃなくって、脱落部分があるんだと言う話をしましたが、そのバックで紹介していたのは生馬神社でした。その生馬神社は、『出雲国風土記』にも、そして現在でも2つの同名社があります。今日、ご紹介するのはもう一つの生馬神社で、一部マニアの間では(←お松:一部マニアって、誰のことですか?)西生馬神社と呼ばれています。
西生馬神社参道
 狭い谷の奥の方に鎮座しています。
西生馬神社の境内
 参道を登るつめると・・・普通なら、社殿が正面にあるか、山を背にして建つか・・・この神社では、なぜか、谷に向かって拝殿・本殿があります。そして山裾には巨大な岩!
参道からみたプチ巨石
 この岩こそが、信仰の対象そのものなのでしょう。そして、よくよく見ると、御本殿の建つ場所も別の巨石の上のようです。どうやらこの辺りに点々とみられる巨石群が信仰の対象で、最も大きな岩の正面に社殿が建てられたと、・・・そのために、社殿が妙な方向を向いているようです。
プチ巨石
お松:プチ巨石ブームの中ではプチの部類のようですが、いやいやどうして、なかなかの迫力。
やや:江戸時代に松江藩士が記した地誌の『雲陽志』には、大岩明神と記されており、江戸時代から立派に大岩ですね。

西生馬神社の狛ワンコ
「そうじゃ!もんくあるか?」
お松:って、言ってそうな顔ですね。
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  1. 2015/06/28(日) 18:32:07|
  2. プチ巨石ブーム
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いろいろやばいかも3

 銀ぶら(銀座でぶらぶらではない)の続きです。
清水谷精錬所跡
 夏草の生い茂る(茂りすぎだって!)清水谷精錬所跡です。
 さて、
 佐毘売山神社は、少なくとも石段の修理がされていました。豊栄神社は、おいたわしい感じですが、それでも、重量物である瓦を除去し、トタンを拭いたことによって、倒壊の危機を遅らせることにはなったことでしょう。でも、こちらは・・・。
龍昌寺跡
 応永年間に創建され、慶長九(1604)年にこの地に移ったとされる龍昌寺は、昭和の頃に移転しました。ずいぶん前に建物を失った寺跡は、杉木立の中に礎石を残すのみとなっています。その龍昌寺跡の周囲には、多くの古い墓地が残っていたのですが・・・。
 背後の斜面を少し登ったところには、岩窟が掘られ、その中には県指定文化財となっている巨大な宝筺印塔などが納められているのですが・・・。

 そこへ登る道は、確か自然石の石段らしきものだったはずですが、落石危険立ち入り禁止の看板が・・・、で、こ・これは・・・。
代官墓の参道
 どうやら上にあった墓の玉垣や灯籠の破片のようです。上の墓は・・・28代目の代官の浅岡胤直の墓だと思うのですが、その代官墓の玉垣や灯籠が崩壊して、こんな事になってしまったようです。つい数年前には、しっかりと建っていたはずですが・・・。
 石垣などもそうですが、石でできた文化財を保存していくのは、容易な事ではありません。石そのもの劣化はどうしようもなく、ましてや墓石のような石材は、加工しやすい柔らかい石。外で風雪にさらされていれば劣化していくのは当然のことですが・・・。


 でも、それでもそこに蛇口はある。
駒ノ足の蛇口
やや:・・・だいぶ前ピン。
お松:ですよね。
やや:うるさい!
お松:自分で・・・。まぁいいか。とにかく、このシリーズ、もう終わりにしましょうね。
やや:そうですね。これで終わりにします。
  1. 2015/06/24(水) 20:05:32|
  2. 石見銀山で散歩
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いろいろピンチだっちゅ~の2

 久しぶりの銀ぶら(銀山でぶらぶら、銀座でぶらぶらではない)で、前回の続きです。
 以前から、いつ倒れても不思議でないほど傾いていた豊栄神社なのですが・・・。
豊栄神社
 豊栄神社は、元は長安寺というお寺です。戦国時代、毛利元就が石見銀山を支配していた頃、自らの像を銀山の中心のお城である山吹城に置きました。その像を300年間伝えていたのが山吹城の麓にある長安寺でした。しかし、長安寺も次第に廃れ・・・。
 約300年後の慶応2(1866)年、倒幕を目指し東に進む長州軍は石見銀山にも兵を進めます。それに対し、幕府方の大森代官所には、わずかな兵しかいなかったため、さっさと笠岡(岡山県)へ撤退。長州軍は一切の戦闘行為無しに石見銀山へ進行してきたのですが、そこで彼らが見たものは、藩祖である毛利元就像を祀るお寺。しかも、当時、かなりくたびれた様子だったようです。
 その後、長安寺は、なんと神社に改修したいと訴え出て、それを受け、長州軍からは様々な石像物(他もあったに違いありませんが)の寄進がありました。毛利元就造を護った長安寺は、毛利元就像を祀る豊栄神社となったのです。
お松:お寺が神社になるって、簡単にできるんですか?そもそも、そんな事をして良いんですか?
やや:時代は近代化直前。「神仏判然令」をきっかけに廃仏毀釈の風潮が吹き荒れる頃です。傾きかけたお寺が神社に変わるというのは、必殺の生き残り策だったのかもしれませんね。
 ただ、そうした特殊な神社であったため、氏子が少なく、維持費の捻出も大変だったようです。近年では多くの石像物が、風雨にさらされ劣化し、拝殿や本殿の軒先は下がり、柱は傾き・・・。もしも、拝殿に近所の子どもが寄りかかったら倒れるかも?って、心配で・・・。石見銀山へ行くたびに、「今日も建ってた。」っとほっと息をついていたのですが・・・。
豊栄神社の拝殿
 何かおかしい。
 何かが無い・・・。
 あ~!屋根瓦が無い!ト・トタンになってる!う~、おいたわしや。
 周囲を見ると、土塀の崩壊も一段と進み、拝殿の傾きもさらに進んだような・・・。
一に三つ星
 この神社は、毛利元就を祀る豊栄神社なので、屋根の鬼瓦を始め、あちこちに「一に三つ星」の毛利家の家紋が記され、軒瓦にも略式?の「一に・・・」の紋が記された特製石州瓦だったのですが・・・。

 随身門の瓦はまだなんとか残ってますが・・・。
随身門の瓦
 以前は、子どもとかがもたれかかると倒れるかもって心配しましたが、こりゃ、くしゃみで倒れるかも・・・。
お松:それじゃぁ、ドリフですよ。

狛わんこ「ん?」
でも・・・。それでもちゃんと護っていてくださいね。
狛ワンコ「あ!」
たのむよ~ぉ。笑ってる場合じゃないですよ。
  1. 2015/06/22(月) 21:24:18|
  2. 石見銀山で散歩
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あちこちピンチです1

 久しぶりに石見銀山で散歩です。しかもかなり本気で・・・(←お松:って事は、冗談で散歩とか、しゃれで散歩とかもあるわけですね?←やや:そう言うムダなつっこみはいらない)。
佐毘売山神社参道
 雨の予報もあったのですが、暑いぐらいの天気。ふらふらと銀山の中心、佐毘売山(さひめやま)神社へ。急で長~いここの石段は、多少は直されたようですが、それでも長年の風雪を物語るがたがたさ加減がたまりません。でも、その長い石段を登り切ると、何かがおかしい・・・。
佐毘売山神社の石段
 鉱山の神様である金山彦を祀るこの神社は、石見銀山最大の鉱脈の真上に建ち、地元では山神(さんじん)さんと呼ばれ親しまれていたはずですが・・・。
 よく見ると、巨大な拝殿のあちこちに、痛々しい破損が・・・。それに、本殿の周囲は、草刈りすらもままならないようです。
拝殿の縁が・・・
 地元では、募金を募って修理を計画されているようですが、間に合うのでしょうか?どうすれば、この立派な神社を末永く伝えることができるでしょうか?
犬のおまわりさん・・・ではない
犬のおまわりさんは・・・教えてはくれない・・・。

お松:いや、犬でもおまわりさんでもないし。そもそも、おまわりさんに聞いてもしょうがないし。
やや:そう言うムダなつっこみはいらない。
 でも、実は、佐毘売山神社はまだましな方でした。他の場所の様子は、次回・・・。
観世音寺の地蔵
  1. 2015/06/21(日) 15:54:14|
  2. 石見銀山で散歩
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山林修行のお寺

 梅雨入りしたのに相変わらず渇水状態の出雲地方。曇り空に湿度と気温だけはうっとうしいのですが、まとまった雨は降らず・・・。
 さて、今日の話題は松江市宍道町上来待にある岩屋寺です。最近は、天台宗の山寺に興味津々で、その勢いで行ってきたのが、真言宗の岩屋寺です。
お松:え~っと、歴史の時間に習ったような・・・空海が真言宗で、天台宗は・・・。
やや:天台宗は最澄です。どちらも密教なんですが、それが山林修行の場としての山寺を造ります。
お松:天台宗のお寺と言えば、このブログでも度々登場している出雲市の鰐淵寺に安来市の清水寺などが有名ですよね。
やや:最近、ちょくちょく紹介している枕木山の臨済宗華蔵寺も、元々は天台宗の山寺です。で、そう言う山林修行の場が、どうも大変な山奥だけでなく、意外とちょっとした山にも造られていた事もわかってきて、その辺りにはまっている今日この頃です。

 現在の岩屋寺は広域農道からすぐの所に建っていますが、その先を、こんな道とか、
岩屋寺の滝へ向かう道
 こんな道とか、・・・ヤブ蚊の波状攻撃をかわしながら進むと、
岩屋寺の岩窟へ続く道

 やがて一筋の光明が・・・
滝の前の灯籠

 岩屋寺の山号は「美瀧山」美しい瀧の下に・・・
枯れ滝と蔵王堂
 って、梅雨だというのに渇水状態の出雲地方です。滝が枯れている・・・。本来は、この小さな祠は、流れ落ちる滝の下にあるはずだったのですが・・・蔵王堂ですね。鰐淵寺の滝の中にある蔵王宝窟や、三徳山三佛寺の投入堂などに比べると、やや小さな蔵王堂ですが、滝壺に建てられた蔵王堂には違いありません。
岩窟の羅漢像
 この、宍道町来待は、凝灰質砂岩の来待石の産地。江戸時代以降には出雲石灯籠や、このブログのおまけでもおなじみの来待石製狛ワンコを生産している地域です。なので、周辺の岩盤には、一見、古墳時代の横穴墓と見間違うような岩窟がバシバシ掘られており、中には、十六羅漢像や薬師三尊像が。そこへ向かう道も・・・
岩窟の道
 こんなんだったりします。
 で、今回の本当の目的は、蔵王堂よりもさらに奥の薬師堂です。
薬師堂
 山の奥深くに旧境内とされる平坦地があるのですが、そこは、ご覧の通り、巨大な岩の下のくぼみです。まさに山林修行の場にふさわしい雰囲気。周囲に置かれた五輪塔や宝匡印塔を見ていると、その周囲の竹藪の中にもちょっとした平坦面が埋もれていることに気付き、往事の反映が偲ばれます。

 おまけ、明王様を納めた岩窟と、右は、薬師三尊へ向かう道。その上には・・・
岩窟の上の・・・
お松:お・鬼!?
やや:う~ん。よくわかりませんが、仏教世界を護るなにかですね。
お松:なんか、かわいいですね。
やや:か、かわいい?
  1. 2015/06/13(土) 18:12:02|
  2. 屋根フェチの小部屋
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スサノオのお船(磐船神社)

 島根県は、旧国で言えば、出雲・石見・隠岐の3国なので、出雲地方は島根の1/3に過ぎません。なのに、まだまだ行ったことのないところがたくさん・・・。
 急に思いついて、プチ巨石ブームの人が絶賛した磐船神社に行ってみました。
お松:なんか、いつだったかと同じような書き出しは、やっぱり安来市広瀬町?
やや:あれは、縄久利神社の時。安来市広瀬町東比田ですね。今回は西比田。
お松:それは、隣って事なんじゃないですか?
やや:隣と行ってもずいぶん距離があります。安来市広瀬町比田は、安来市とは言っても中海に面したようなところではなく、峠を越えれば奥出雲町亀嵩。ずいぶん南です。西比田の集落で車を降り、山へ登ることしばし・・・
磐船神社の参道
 鳥居が見えて、お、着いた着いたと思ったら、さらに山を登ることしばし・・・。
お松:手水が二つ?
鳥居の痕跡?
やや:下側で手水に見えるものは、おそらく鳥居の基礎。谷側の基礎は崩れてしまったんでしょうね。で、さらにしばらく行くと「あと100m」の看板・・・。この辺りから、大きな石が、そこかしこに見えてきます。
 最後にむちゃくちゃな傾斜の石段を登ると、巨大な岩の下の小さな隙間に祠が建てられています。
磐船神社本殿
 で、でかい(岩が)。岩が大きすぎる上に、まったく引きが取れないので、並の広角レンズでは収まりません。久しぶりの超広角レンズ出動です。
磐船神社の磐座
 この磐船神社は素戔嗚尊を祀るとされ、『雲陽志』には「岩船神社」とあるようです。付近に点々とある巨石にも、それぞれスサノオが綱をかけたとか錨にしたとか、いわれがあるようですが・・・。
更に上へ
神社の奥にはさらに道が続いているので・・・。って、これ道?鎖のぶら下がった道を行くのですが、この手の鎖とかは、基本、信用しないことにしているのですが・・・ムリ。一応信じて、上に向かいます。
スサノオの船?
山頂にあるのがこの岩です。天空に飛び上がろうとするスサノオの船なんだそうで、それが磐船神社の名前の由来なんだとか?
 『日本書紀』の「一書」によれば、例の件で高天原を追われたスサノオは新羅に降り、そこで埴土で船を造って鳥上の峯にたどり着く事になっていますが、そのせいか、奥出雲町の鬼岩神社の岩船大明神など、岩の船の話が点々とあるようです。
 それはともかく、久しぶりに「プチ」ではない、本気の巨石を見たような・・・。

お松:今回も、特にオチもおまけもなく終わるのでした。
  1. 2015/06/07(日) 17:52:31|
  2. プチ巨石ブーム
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やや

Author:やや
 神社仏閣と古い町並み、そして何より屋根とお庭が大好きな“やっぱり屋根が好き”と申しますが、相棒の“お松”に、あり得ないぐらい略されて、“やや”と呼ばれています。

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