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木を見て庭を見ず

出雲・石見を中心に、歴史的なお庭と屋根と神社仏閣を見て回って、ひとりごとです。

国引き、日没

 大型台風直撃コースで警戒していましたが、そこそこ空振りの山陰地方でした。
 そういう訳で、台風が来る前のお話でございます。


 休みの日なのに会議をぶっ込まれ、しぶしぶ出勤したら、「休んでて良かったのにぃ」と言う上司。はぁ~?なんですとぉ?で、その後のイラッとした勢いのまま駆け上が・・・ろうとしたけれど・・・結局はぜぇぜぇはぁはぁ言いながら、やっとこさ登り切ったのはしっかり夕方。日没までに登り切れるかどうかの勝負で挑んだ三瓶山でした。

日暮間近の

 島根県の真ん中あたり、大田市の三瓶山は、標高1,126mの活火山(?!)。
 『出雲国風土記』の冒頭を飾る国引き神話には、「佐比売山(さひめやま)」と言う名前で登場します。
お松:そう言えば、最近は神話の現代語訳が登場しませんねぇ。久しぶりに国引き神話とか?
やや:国引き神話は、古代の出雲の中心である意宇(おう)郡の地名の由来を説明したものです。で、
 意宇(おう)と名付けた訳は、国引きをした八束水臣津野命(ヤツカミズオミズヌノミコト)がいきなり、
 「しまった~!八雲立つ出雲の国は、幅の狭い布のような国だぁ。小さく作りすぎたぁ。」って、後悔するシーンから始まります。
 で、「(布なので)縫い繕う事にすっぺ!(←お松:どこの人ですか?)」って言い出しました。で、新羅の三崎(朝鮮半島の新羅?)の方を「国とか、余ってないかなぁ?」と見ると、なんと余ってる。で、おねぇちゃんのバストのようなスコップを・・・
お松:あのぉ?
やや:原文では、「童女胸鋤所取(おとめのむなすきとらし)」とあって、つまんない現代語訳では「若い女性の胸のように大きい鋤を取り」ってな感じに訳されてます。
お松:・・・。
やや:で、
 ねぇちゃんのバスト(←お松:もう、いい!)のようなスコップを手にとって、大きな魚を突くように大地を切り離して、3本撚りの綱をかけてたぐり寄せ、「国来(クニコ)、国来!」って、引っ張ってきて縫い付けた国は「去豆の折絶から八穂米支豆支の御碕(出雲市平田町辺りの島根半島の低い部分から日御碕・・・要するに島根半島の西端)」です。この国をつなぎ固めるために打った杭が石見国と出雲国の境にある「佐比売山」。また、その綱が「薗の長浜」である。
 以下省略・・・この後、同様の作業を3回ほどをやって、「これで国引きを終わったぜい!」と言って、意宇杜(おうのもり)に杖を突き立てて、「オゥェッ」って言ったので意宇(おう)。
お松:・・・。
やや:これが国引き神話の全貌です。神様の後悔から始まって、オゥェッとなって終わると言う、楽しいファンタジーでした。
お松:・・・。

国引きの風景、薗の長浜

やや:そういう訳で、繋ぎ止めた杭のてっぺんに来ています。眼下に伸びるのが、繋ぎ止めた綱の「薗の長浜」。その先が「去豆の折絶から八穂米支豆支の御碕」。つまり出雲大社付近から日御碕ですね。
お松:これって、日没直前?
やや:おしい!日没直後。
お松:じゃぁ、この後の下りは?

日没後

やや:もちろん真っ暗闇。ヘッドライト大活躍!
お松:・・・使いたかったんだ
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  1. 2019/08/16(金) 17:26:05|
  2. 神話の足跡探し
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撮り鉄のつもりはありませんが

溶けそうな暑さの山陰地方です。
 あまりの暑さに、山に登る気にもなれず、エアコンの効いた車で行けるところへ・・・。

架線のない線路

お松:線路ですが、なにか足りないような・・・。みょうにすっきりして見えるのは気のせい?
やや:たぶん、架線が無いからでは?
お松:あ!なるほど。電車じゃないんだ。ここはどこですか?

木次駅

やや:雲南市の木次(きすき)駅です。さっきの線路は木次線ですね。JR山陰線の宍道(しんじ)駅から広島県三次(みよし)市に向かうローカル線ですね。
お松:字画の少ない漢字ばかりなのに難読地名だらけ。木次線恐るべし。
やや:・・・。
お松:その、木次線で撮り鉄ですか?
やや:まさか。木次駅のすぐ近くに、これがあるんです。

木次駅構内廃寺の礎石

お松:石?・・・礎石?
やや:天平5(733)年の年記を帯びる『出雲国風土記』には、10ヵ所の「新造院一所・・・」で始まる記載があります。「塔あり」とか、「僧あり」と言う記述が続くので、新造院とはお寺のようなものだと考えられています。で、「大原郡」条には、その内の3ヵ所があることになってて、仏教の盛んな地域だったと考えられるんですが、実際の遺跡はよくわかりません。

礎石のアップ

 で、この礎石が、新造院のものだった可能性があるんです。この礎石自体は、木次駅を建設する際に掘り出されたとされ、実際の位置は、現在のプラットホームがある辺りだったらしいのですが、今となってはどうしようもなく・・・。
お松:しょうが無いので、撮り鉄ってことで我慢しようと?

木次線のディーゼルカー達

やや:撮り鉄の人もすごいよねぇ。このくそ暑いのに、線路際で待ってるなんて、私にはムリです。
お松:皆さん、熱中症対策をお忘れなく!
  1. 2019/08/08(木) 18:54:45|
  2. お松との会話
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キツネさんのお宮

 前回の続きです。
 な~んも見えませんでした、終わり。・・・では、つまんないので、その後の事です。膝が大爆笑!の状態で、何とか降りてきました。
 夏山登山道をまっすぐ下るのではなく、5合目で折れて、行者谷コースを行きます。ここは途中で行者谷の河原を横断するので、晴れていれば大山北壁の雄大な眺めが見られるはずでしたが・・・

大山北壁・・・が見えたはず

 見えるのは砂防堰堤だけ・・・。
お松:ナニしに行ったんだか?
やや:「行けっ!」て言ったくせに。
 ま、とにかく。行者谷コースを降りると、大神山神社奥宮の裏手に出ます。大山寺僧坊群の最高所に位置する大神山神社奥宮は、明治の神仏判然令を受けて、大山寺号が廃止された後の大山信仰を受け継ぐ神社で、参拝者や観光客はもちろん、大山の登山者も(←お松:もちろんややさんも!)安全を祈願してお参りするところです。
 で、大神山神社奥宮は、多くの方が参拝されるのですが、気になっているのはそのお隣。下山神社です。

大神山神社奥宮のお隣

 下山信仰は、大智明権現(大山の神様。日本の神様は仏教の仏様が姿を変えて現れたものとする本地垂迹と言う考え方による地蔵菩薩のこと)の言葉を伝える狐に関わる信仰です。文献や絵図には下山大明神などとで出てくるお社で、戦国時代から近世には、武将などからも信仰された神社のようです。

下山神社

 また、大山寺には7世紀に遡る金銅仏が3躯も伝えられているのですが、そのうちの1躯は、この下山神社を造成した文和元(1351)年に境内地から出土したと伝えられているんです。
お松:それって?
やや:もしかしたら、古い経塚があったのかもしれませんし、奈良時代の山林修行僧が持ち込んだのかも知れません。
 出土したその後は、下山神社の御神体として大切に伝えられたのだそうです。
お松:神社で、仏像?
やや:神仏習合の山ですので。

下山神社のキツネさんたち

 なので、拝殿前には狛狐。
 拝殿の後ろ、弊殿の横にもたくさんのキツネさんたち。(・・・ひざがガクガクでぶれてやんの)


おまけ

弊殿のナゾの穴

 弊殿の縁の下に穴。
お松:気になる穴ですが?
やや:たぶん、キツネさん達の出入り口ではないかと・・・。
  1. 2019/08/02(金) 10:09:34|
  2. 神話の足跡探し
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お山は雲の中

 ようやく梅雨が明けたというのに、最近また絶不調。原因は、くそつまんない仕事場にあることは明白ですが、だからと言ってどうにもならない事も明白。よって、休みの日にも、ごろごろ、うだうだ・・・。こう、不調だと、お寺も神社も、行きたいところも思いつかず・・・。
お松:そんな時こそ、行きゃぁいいんじゃんないですか?
やや:ど、どちらへ?
お松:山へ!夏だ、さぁ山だ!
やや:山ねぇ・・・。
お松:汗をかいて、筋肉痛に浸れば、気分も変わるんじゃないですか?さぁ、行け!行くのじゃぁ!
やや:・・・と、お松さんの口車に乗せられて、おなじみの大山へ向かったのですが・・・米子市内からも大山は見えず・・・。こ、これは・・・。

お山は雲の中!

 下界は晴天でも、山は雲の中。降りてきた人たちに聞くと、「時折、雲が切れる」と・・・、それを期待して・・・。

ただただ雲の中

・・・だめだ、こりゃ。視界20m。なんも見えん。


 さて、大山山頂は、現在工事中です。がんがん崩落の続く大山では、山頂自体が崩落してしまう恐れがあるため、山頂の石碑を移動させる工事が進められています。

山頂近くは工事中

 なので、山頂近くは通行止め。

山頂小屋も工事中

 併せて山頂小屋も大改装工事中です。
 9合目下の岩室に移動しますが、もちろんこちらも

石室も雲の中

 雲の中。

いい雰囲気の地蔵ヶ池

 地蔵ヶ池もいい雰囲気です。

雲の中

お松:大山山頂は霧の中でしたけれど、気分の方は?
やや:・・・。まぁ、筋肉痛の方はしっかりきました。
  1. 2019/07/28(日) 08:10:58|
  2. お松との会話
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滝のある山寺の滝

 山寺で修行と言うには・・・あまりにも道路から近くで、遊歩道も整備されている場所なので、たいした修行ではありませんが・・・。
国道9号線から一山ほど南を並行して走る県道。石見銀山近くから西へ向かう道は、なだらかな台地の上を行きます。それが、大田市温泉津町井田から市境を超えると、突然、急な下り坂。深い谷の入る険しい地形に急変します。ここは、江津市波積町。現在、波積ダムの建設工事が行われています。
 で、今回の目的地は、曹洞宗岩龍寺(がんりゅうじ)跡。現在は移転しているようですが、波積ダム建設に伴って水没してしまうその跡地が、この春先まで発掘調査されていました。その時に行きたかったのですが、都合が付かず、今さらの修行見学です。

岩龍寺の熊野権現堂の跡

 谷底から尾根筋にかけて、広々とした平坦面があり、それらをつなぐ石段が残されています。ここは、熊野権現堂の跡なんだそうで・・・。現在では、礎石を残すだけですが、山寺らしい雰囲気は残されています。

岩龍寺の宝筺印塔

 境内や周辺から集められた石塔には、近世近代の無縫塔(むほうとう:僧侶の墓石と言われている)に混じって、特徴的な福光石(大田市温泉津町で産出される石材)製の宝筺印塔がたくさん(画像はあえて福光らしくないやつ)。戦国から近世初頭に栄えた様子がうかがわれます。発掘調査でも中世後半を遡る資料は無かったそうですが、寺伝は古代に遡るお寺。どこかに古代の痕跡は残っていないでしょうか。

岩龍寺の滝

 古代の山林修行の場所として気になるのは、寺跡の背後にこれ・・・。滝があります。山林修行者にとって、滝は大事な修行の場。
 この滝の名前は「岩瀧寺の滝」
 滝がある岩山の寺なので岩瀧寺だったんでしょうが、その背後の滝が「岩瀧寺の滝」?
お松:なんだか駅前商店街前駅みたいな感じですね。
やや:そう言えば、学園前キャンパスがある学校がありますね。
お松:気になったのは滝の名前?
やや:もちろんそれだけではありませんが、どこかで古代の資料が出てこないかなぁ?

滝にカゲロウ

お松:カゲロウだけが知っている・・・とか?
やや:カゲロウは短命なので知らないと思います。
  1. 2019/07/08(月) 07:38:16|
  2. 山寺で修行中
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Author:やや
 神社仏閣と古い町並み、そして何より屋根とお庭が大好きな“やっぱり屋根が好き”と申しますが、相棒の“お松”に、あり得ないぐらい略されて、“やや”と呼ばれています。

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